
大好物、この時季には必ず食べたくなります。
栗を裏ごしして少量の砂糖を合わせて再び栗の形に絞った、シンプルといえばこのうえなくシンプルな作り方だけれどその分、微妙な仕事ぶりに左右される繊細なお菓子です。
色合いはすごくジミ〜だけれど、見飽きないというか、(見飽きるまでもなく食べてしまうからかもしれないが)、布目フェチの私には、茶巾の生地の跡がちょっとだけ表面に残っているのを見つけていちいち萌えてしまったりもするのです。
固すぎず柔らかすぎず、指ではつまめるが口の中でははかなく崩れる絶妙のバランス、も好きです。
茶巾絞りには作り手のちから加減、そしてぬくもりもソコハカとなく残っているように感じられて、朝夕すっかり肌寒いこの時季に必ず食べたくなるのは、単に栗が旬だからという理由だけではないのでしょう。
ごちそうさま
ハンバーガーというものは、大手ファストフードチェーンと米国人の肥満体質のおかげでジャンクフードの代表選手みたいに扱われてきました。
しかしそれはあくまで量と頻度の問題で、実際ちゃんと作ればすごく美味しく、天気のよい日に外でがっつりかぶりつく行為そのものも何やらたのしいものです。
SMILEは近所の小さなカフェ、ここのハンバーガーを食べた時あらためて、ハンバーガーを馬鹿にしちゃいけませんぜ・・と思いました。モチモチの自家製天然酵母パンにフカフカジューシーなハンバーグの肉汁がちょっと染み込んでまるで御飯と肉じゃがのような幸せな関係が味わえます。
店内で食べるとトルティーヤチップが付くのですが、今回テイクアウトしたので、別売りのクッキー2種をおまけに付けてくれました。このニコニコはそのうちのひとつ。味も非常にスマイルでした。
ハンバーガーでおなかいっぱいでも・・フッフッフッ、甘いもんはちゃんと入るところがあるみたいで、シメはやや不敵なスマイルに。
ごちそうさま
「さんさん堂」は、池田市石橋にある、小さな小さなクッキー専門のお店です。たまたま近くを通りかかかって見つけました。
店内で焼かれたいろんなデザイン・風味のクッキーを一枚づつ選ぶのも楽し。このサブレー(サブレーっていう語感がすでに好き)はほんのりシナモン風味でした。
大阪万博は、私が小学三年生の時でした。特に万博マニアとか昭和派というわけではありませんが、「万博を体験したのが小学三年生の時」、というのは自分の過去の中ではプチ自慢です。
まだまだわけのわからない1、2年生でもなく、ちょっと訳知り顔の高学年でもなく、喜怒哀楽全開が許される最後の年代、しょうがくさんねんせい。
そういえば、ちびまるこちゃんも永遠の小学三年生です。
私はもともと記憶力弱い体質(というのか?)のため、詳細な記憶はあまりなく、3年生のわりには断片的な思い出と全体的なイメージしか残っていないのですが、それがまた適当に増殖して太陽の塔とかエキスポランドとか聞くだけで、頭の中の一部分がピカッと反応してしまいます。
思えばあれは、ぶっちぎりのお祭りでした。オリンピックとワールドカップとクリスマスとお正月がいっぺんにきたようなもんでした。ただ楽しく華やかなという以上に、時代の勢いや息づかいを子どもごころにビシバシ感じていたのかもしれません。
あのころ、日本そのものもまた、希望に満ち屈託のない小学三年生だったのではないでしょうか。
そう考えると、万博を超える「イベント」は、おそらくもうこの日本では、そして私の生涯でも二度と望めないでしょう。日本も自分もいろいろ苦労したり経験したりしてヘンにおとなになってしまったのだなあ、としんみり秋の夜です。
ごちそうさま
明日はお月見です。デパ地下には風情のあるさまざまなお月見系お三時がならんでいますが、今年は敢えてこのロングセラーを選んでみました。
仕事で親しくなったOさんと言う男性(50代後半)は、大の満月ポンファン、最近その愛が高じてメーカーを訪ねられました。テレビなどでよく取材されているのを見て、自分も満月ポンの生まれる瞬間をこの目で見たい!と、工場見学を願い出たそうです。しかしメーカーでは工場の一般公開はしておらずあっさり断られ、挙句「全国からあんたみたいなオッチャンがしょっちゅう来るよ」と言 われたとのこと、Oさんは、せめて出来立ての満月ポンを〜〜と食い下がり、卸先をきいて一斗缶ごと大人買いしてこられたのでした。
Oさんは、実はいわゆる「セレブ」、それも生まれた時から超おぼっちゃまという筋金入りのセレブなお方です。そのおぼっちゃまと満月ポン、意外な組み合わせの裏には訳がありました。
Oさんのお母様は、結婚される時「ばあや」と一緒にお輿入れされたとか(さすがセレブッ!)、そして、Oさんは、少年時代そのばあやに育てられたのだそうです。
ばあやはO少年をよく可愛がり、ご主人様に内緒で、あれこれと駄菓子を買い与えたり、繁華街に連れ出してO少年にさまざまなオモシロイ経験をさせてくれたそうです。(これは現在のOさんの気取らないキャラクターの基盤にもなっているような気がします。)この頃よくばあやに買ってもらったのが満月ポンで、家で食べる上品なおやつとは違う味わいがO少年の舌に刻まれました。
ばあやが高齢で仕事を止めて後、音信不通になっていたのを大人になったOさんは手を尽くして探し回り、すでに無縁仏となられていたのを見つけ出して供養されているそうです。
全国からメーカーを訪れるというオッチャンたちにもきっとそれぞれ満月ポンにまつわる思い出があるのでしょう、もしかしたら購買年齢層は結構高めかもしれません。
さて、Oさんの話をきいて久しぶりに満月ポンを食べてみました。手をつないで昭和の町を歩くばあやとO少年のセピア色の映像が浮かんでくるような、甘辛い泣かせる味でした。
ごちそうさま
8月の、まだ暑い盛り、京都・貴船に行った折に見つけました。
貴船はさすがに市街地よりマイナス5度の涼しさで、川床は肌寒いくらいでした。
このお三時もなんとなく、、マイナス5度くらいの冷気ありませんか?帰って見せた誰もが「かわいいってゆうか〜ちょっと・・こわい」と言います。
「貴船っ子」・・これコドモ流されてるやんっ!
コドモの方は単にあられをコケシ状に包装したものですが、船の方は生姜風味のおせんべいでできたなかなか立派なフィギュアです。ほんとうに水に浮かびそうなしっかりした作り(そのぶん歯応えも結構固め)。
この船型おせんべいの甘みとあられの醤油味の取り合わせ、交互に食べてみて初めて、このコンビならではの意義を感じました。善哉と塩昆布、スイカと塩、ボケとツッコミのようにお互いを引き立てあって後を引きます。
さて貴船では、かねてより体験したかった「流しそうめん」を食べてきました。
席から少し離れたところにあるムシロで覆った小屋の中から店のお姉さんが水の流れる「とゆ」に少しづつそうめんを流してくれるのを素早くキャッチ。流れてくるのをちゃんと気をつけて見ていないとそのまま通過していってしまいます。お姉さんは、ムシロの隙間からこっちを窺って、食べるスピードに合ったタイミングで流してくれるはず・・なんですが、早く終わらせてしまいたいのかどんどん流す間隔が早くなり、最後の方は必死でそうめんを食べ続けました。
でも、ちょうど一口くらいの量がいい感じにほどけつつ箸にからんで、お皿に盛って食べるそうめんとはひと味違うような気がしました。家でもやってみたいものです。
翌日、知合いの外国人に会う機会があり、「流しそうめん」を説明しようとしたのですが、私の拙い英語力では「そうめんが流れてくる事態」がなかなか伝えられず苦労していたら、彼のほうから、「Oh 、swimming?]
なるほど、「泳ぎそうめん」そうかそれでいいのか・・。でも、やはり何か違うような気が。
水の神様といわれる貴船神社には、水占いというおみくじもありました。引いたおみくじの紙(白紙)をご神水に浸けるとアーラ不思議、運勢があぶり出しのように現れるのです。ちなみにわたしの「商売運」は「ひそかにするが吉」でした。ひそかにする商売ってなんでしょう??なかなかミステリアスな貴船でありました。
ごちそうさま
「前々回の『うりっ仔もなか』にゃムッとした」と言う友人から、「同じやるならここまでやるべし」と姫路のお土産にいただきました。
堂々の世界文化遺産 国宝姫路城です。
細部に渡るまで作り込んだ型の完成度、このお城を生半可な気持ちでは作れない、という姫路のお菓子やさんの気概を感じます。文句なし!お三時フィギュア 最中部門の横綱と申し上げましょう。
さらに驚くべきことに、この最中姫路城はちゃんと直立するのです。前後に合わせた最中皮を立てて安定させるのは至難の業、やはり城はそびえ立っていなければ城にあらず・・とのこだわりでしょうか。
栞にも「当社では世界的名城にふさわしい製品創りに努力して参ります」との記載がありますが、まさにその企業努力の賜物でありましょう。
思えば最中の皮とは不思議な存在です。皮そのものだけでは用を成さない、あくまで餡という中身あっての存在、歯触りや香ばしさくらいでしかその味を主張することはできないのです。にもかかわらず、中身を守るという機能性と、お菓子の見た目を担うという大事な役目を背負っていて、まさに戦国の世の城の在り方そのもののような気がします。
型をおこす時、どこまで細部を再現できるかと試行錯誤されたであろうその過程は、何百年も前、この美しい城造りに携わった多くの人々の苦労や仕事ぶりに通じるものがあるのではないでしょうか。
ごちそうさま
追記:
同じく前々回に番外で紹介した「ビーンズサワー」ですが、最新情報によると製造中止になり現在庫を残すのみになったそうです。(う〜〜む、やはり・・・)。
試してみたい方はお早めにっ。
ご近所さん(連載まんが タニ氏夫妻作者オクさん)からお裾分けしていただきました。タニ氏まんがにちなんで読者の方から送られてきたそうです。
滋賀県 瀬田の名物なのだそうです。
名前を見て「たにし飴?!へエ〜、まさかタニシの形してるの?」と聞くと
「うちもまだ開けてないけど、まさかね〜」
「だよね〜、まさかね〜」
というような会話のあと、中を開けてみれば、ちゃんと「まさか」でした。
タニシ型の飴・・・
決してタニシが、醜いとかヨクナイとか言う訳ではありませんが、わざわざ再現するほどの姿とは失礼ながら思えない、きっと何か特別な由来があるに違いない、ということでメーカーさんにおききしてみました。
そうしたら、実にあっさりしたお答えでした。
「飴を切ると、そういう形になるんですわ」
・・・つまり、普通に黒飴を作っていて、「なんかタニシみたいやな」ということで、「たにし飴」、こんな判り易い由来があるでしょうか、チカラ抜けました・・・。
さて特筆すべきは、その味です。
封を開けると強烈なニッキの香り、ビビりつつ一粒食べてみると、ニッキの味がこれまた激しく舌を攻撃、飴なのにもはや辛いほどです。しかし、それを我慢して食べていると、ときどき優しい黒砂糖の甘みが舌を癒してくれ、次第に辛い→甘い→辛い→甘い、の繰り返しが不思議な快感になってきました。そうして、いつのまにか口中は、辛苦を耐え忍んだご褒美のような優しい甘さに満たされてゆくのです。ラスト近くには、ケシの実の弾ける香りがほんの少し。後口はあくまでさっぱりしています。
二つ目を食べる時、ときどき鏡を見て確かめてみました。すると、ニッキの層と黒飴の層が重ねてあって、それが口中を転がる度、交互にあらわれて味の変化を生んでいるのでした。
大袈裟なようですが、私はこれまでこれほどに飴というものを味わったことがありません。このタニシ、タニシといって侮る事なかれ、実に深いです。
ごちそうさま
デカンショ祭りで有名な兵庫県篠山市へ行ってまいりました。ちょうどお盆のデカンショ祭りズバリその日に行ったにもかかわらず(渋滞が嫌で、)肝心のお祭りを見ずに早々に帰った根性ナシです。ついでに、その翌日も別件で京都大文字送り火のベストポジションまで行きながら(電車が混むのが嫌で、)夕方に帰ってしまいました。
篠山の町には、篠山城跡を中心に古く立派な武家屋敷や商家がたくさん残っています。土産物や食べ物やさんに改装したところもあるけれどまだまだ普通に住まれていて、軒先に手入れの行き届いた鉢植えや子どもの遊具などがあるのを見ると、ほっとした気分にさせられます。
*半月せんべい/小林製菓
もっちりもち米の甘いおせんべいです。5ミリくらいの厚みがあるので歯応えもあります。シンプルながら一応フィギュア、半月型だから半月というわけでなく篠山城にかかる月のイメージから生まれたお菓子だそうです。満月で三日月でもなく半月というところに惹かれます。あ、でも、三日月にするのは難しいからか・・。
*うりっ仔/慶賀堂
実はこれは、フィギュアとは言えない残念な一品です。ウリ坊のレリーフ最中なのに楕円型に背景(フチ)がある〜。確かにフチ部分がないと、ウリ坊の鼻の部分など割れてしまいやすいから楕円にしたのでしょう。惜しい。
さらに、画像では右向きのウリ坊ですが、これ、裏返しても右を向いています。つまり
横から見るとウリ坊の鼻先と尻尾が合うかたちで、右向き一種の最中の型で作られているということです。
フチのついた楕円の型なので、確かに片向きだけでもくっつければ形に出来る・・・けれどここはたとえ楕円のフチ付きであっても左右両方の型をおこして少しでも本物のウリ坊に近づける努力をしてほしかったところです。ウリ坊のタタタッと走っている姿がすごく可愛らしく出来ているだけに残念に思いました。
*ビーンズサワー/農事組合法人 西紀ビーンズジュース生産組合
もうひとつ、これも番外です。篠山のお土産屋さんはほぼ、黒豆で埋め尽くされています。生の黒豆、乾黒豆、煮た黒豆、煎った黒豆、黒豆コーヒー、黒豆パン、黒豆あられ・・・確かに名産地とはいえ、これでもかー!という程の黒豆づくし。
その中にはなんとこんな液体ものまでありました。黒豆の煮汁にクエン酸を加えたジュースなのです。黒豆の煮汁・・・たしか喉に良いとか聞いたことはあるけれど、それをジュースにするとは大胆な発想です。
飲んでみるとちゃんと黒豆の風味がしていて、それも決して不味いという感じではありませんでした。でも、同じくらい美味しいという感じでもなく試した誰もが「ふーん」というリアクションしか出てこない中途半端さ。無意識に「マズ〜!」と叫びたかったであろう我々の浅はかな罰ゲーム期待感は、生産組合の生真面目さの前にはかなく散ってゆきました。
ひよこゼリー/吉野堂
以前、東京のお土産にいただいた「ひよこもなか」をこのブログで紹介しました際(2007年2月)にも触れましたが、ひよ子本舗は元々福岡県の会社(吉野堂)です。
福岡のお土産売り場の方は、その点キッチリ言っておきたいらしく、「あ、ひよこ、こ、東京の・・」などとつぶやいたりすればすばやく「イーエ、こっちが元祖、本家です!」と訂正されるのでした。
さすがに元祖・本家だけあって博多駅のお土産売り場は、ひよこがいっぱいでした。どのコを連れて帰ろうか迷った末、ちょうどこの時季の限定品、フルーツゼリーにしました。ひとつづつプッチン包装されています。
帰宅して冷やして食べようとした時、ちょっと胸が痛みました。このひよこゼリーはぶるぶる震えるのです。生き物の形のお三時フィギュアはほんとにたくさんあって、あまりに造形のいじらしいものなど、食べるのが一瞬ためらわれたりするものですが(あくまで一瞬)、このひよこゼリーは、お皿を持ち上げて食べようとするとおびえてぶるぶる、そっと元に置くとほっとして動かなくなるのです。あたかも生きているかのようなリアクション繰り返すこと数回の後、昇天されました。すまん。
二○加煎餅/東雲堂
さて博多でもうひとつ、半面型のおせんべいを買いました。「二○加」と書いて「ニワカ」と読みます。博多に古くから伝わる「二和加」(お祭りの時などにこのような半面を被って博多弁で漫才のようなことをして笑わせる郷土演芸)にちなんでいるそうで、このお煎餅ももう100年以上続くロングセラーだそうです。箱の中身はいろいろ顔が違っていてウインクバージョンなどもあります。でもこんな顔のお面で漫才されて笑えるかどうかちょっと疑問。
栗林のくり/湊屋
うどんを求めて渡った四国、善通寺駅構内の売店で買いました。高松・栗林公園をイメージした栗まんじゅうです。
高松も栗林公園も行ってないのに、とにかく四国に渡った証しを何か持って帰りたくて、うどんセットと迷った末に軽い!という理由でこちらに決めました。素朴な輪郭ながら一応栗の形になっていたのは開けてから知りました。(こっちにして良かった。)
栗まんじゅうには、すごーい美味しいとかハズレーとかなく、どこのものでもそれなりにそこそこ美味しい、そういう安心感があります。(同じ栗系でも栗きんとんになると、一気に期待と緊張の度合いが上がる)いつもなんとなく、気がついたら全部食べ終わってた、という感じ。そういうお三時もある意味貴重です。(褒め言葉)
今回のJR旅の途中で「冷凍みかん」のことを思い出しました。子どものころ大好きでした。冷凍みかんとマンガがあれば何時間でも電車に乗っていられたような気が・・・今でも売ってるそうですが、エアコンの効いた車中で食べてもきっと美味しくないでしょう。かといって、家でエアコンを切って食べても何か違うっぽい。やはり駅弁同様、揺れる車中で目的地に向かいつつ食べるところに醍醐味があったような気がします。なつかしや、冷凍みかん。
出張編最後になりましたが、ちょうど旅行中記録的豪雨に見舞われた九州北部の方にお見舞い申し上げます。またいつか長崎・軍艦島に行けるのを楽しみにしています。
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